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【マイナー機材評論11】”戦車級”!?MACKIEのDI「MDB-1A」を検証!

こんにちは。
マイナー機材評論のお時間です。
 
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世はコロナ禍を脱却し、イベントシーズンになったこともあり、
7月はMake a HAPPINESSも、軽井沢や県内はもちろん、都内など、
ありがたいことにほとんどの日数を現場に出向かせていただきます。
 
そんな中ではありますが先日、以前から気になっていた、ある「戦車級」な機材を購入し、
ある程度検証が済んだため、こちらのブログでご紹介しようと思います!
 
それがこちら。
 

MACKIE アクティブダイレクトボックス「MDB-1A」

MACKIE MDB-1Aの紹介


 
サイズ感としては、BOOSのド定番DI「DI-1」と幅は一緒くらいで、長さはこちらの方が一回り長いくらい。
マットな黒い筐体に、シルバーに光るランニングマンのロゴが特徴的ですね。
 
同じ筐体のシリーズとして、
パッシブDI、同じくパッシブのステレオDI、それからファンタムボックスに、さらにはUSB.DIまで…
 
MACKIEは今までこういった小物を取り扱っていた印象は薄いですが、
他にも小型ヘッドホンアンプやケーブルテスターなど、最近は本当に色々扱うようになりましたよね。

機能について

本機の一番大きな点としては、アクティブタイプではあるものの、9Vバッテリーは使用できません。
つまりファンタム電源の供給が必須です。
 
アナログミキサー使用時には、他機材と併用の際には注意が必要になりますね。
 
さらにいろいろツマミがありますが、ひとつひとつご紹介すると、
 
<PADスイッチ>
DIからの出力を、0dbと-20dbで使い分けることができます。
「0db」は入力された楽器等のレベルをそのまま卓に送り、
「-20db」はレベルを下げて卓に送るようになります。
比較的、-20dbにして使用することが多いかな?
 
<MERGEスイッチ>
他の機種では見慣れないスイッチですね。
 
これは、offでは「スルーアウト」モードです。
一般的な使い方としては、ギターやベースをinした際に、
キャノンのoutからは卓へ、THRU端子からはアンプへ、それぞれ接続します。
PAでは、特にベースを集音する場合、
アンプを通す前の段階のドライな音をDIでもらいたいケースが多いので、
その際にはMERGEはoffで使用する、ということになります。
 
ではonにするとどうなるかというと、「パラレルinput」モードになります。
こちらは、例えばPCやスマホ、キーボードなどの音声を、
LRまとめてモノラル変換して卓にinするなどの際に使用します。
チャンネル数が少ないミキサーや、フェーダーをペアリングできないアナログミキサー、
そしてステレオにこだわらない場合には便利なモードですね。
 
<POLARITYスイッチ>
いわゆる、「移送反転」スイッチです。
通常は「0°」で使用しますが、例えば前述のように、
PAでベースなどの音を受けて、モニターから返したりした際に、
音がぶつかり合って「シュウシュウ」とウネる場合が、まれにあるんです。
その時にこれを「180°」にすると、解決するかもよという趣旨のスイッチです。
 
<LowCutスイッチ>
そのまま、Lowをカットしてスッキリさせてくれます。
取説によると、120Hz以下をカットしてくれるようです。
実際に試した時は、聴感ではそこまでカットされたように感じなかったけど・・・??
 
<GroundLiftスイッチ>
グランドループによって発生するハムノイズを解決することができるスイッチです。
「ブー…」というノイズや、PC等から音声をもらった時の「プツツツツツ…」というノイズにも効果があります。
わかりにくいですが、どうやら「上向きでリフト」される状態になるようです。
 
主な機能は以上かな?
 
パッシブモデルにはここまでの機能はないし、
他メーカーの機種もわざわざMERGEをon/offするなんていう機能はないし、
コスパ系のDIの中ではなかなかに多機能な印象です。
 
この辺りはMACKIEのアイデンティティが成しえる部分か??

検証方法

さてさて、今回の検証方法です。
 

 
比較対象は、本機よりややリーズナブルなBEHRINGER「DI100」
MDB-1AもDI100もPADは「±0db」に設定、
グランドなど、そのほかの設定は基本の状態にします。
 
そして動作環境としては、
 

 
YAMAHA 16chアナログミキサー「MG16XU」に接続し、
48Vファンタム電源は卓から供給、アコースティックギターを接続します。
また、使用するケーブルはシールドもキャノンも、同じCANARE社製、同じ長さのものを使用。
 

 
inputのゲインはPFLで同じレベルで振れるように調整。
写真ではわかりづらいですが、ほぼ同じゲインになっております。

検証結果

<音楽的には…>
結論から言うと、音楽的にはMDB-1Aの方がいい!
…と言うか、プレイヤー目線ではこちらの方が好みという方が多い気がします。
 
具体的にいうと、MDB-1Aの方がピッキングのニュアンスが出やすい印象で、
DI100はちょっとニュアンスが出づらく、よく言えば柔らかい音といった印象です。
 
<機能面の比較>
続いて機能面においては、MDB-1Aにある移送反転やLowCutなどのスイッチはDI100にはなく、
2023年夏の時点ではMDB-1AとDI100の価格差は1,000円ほどですので、
この価格差でこれだけ多機能なら、MDB-1Aを選択する方が価値があるように感じます。
 
ただ前述のように、MDB-1Aは9Vバッテリーが使用できないため、
chごと個別にファンタムを送れないアナログ卓などで使用するなら、DI100の方が安心感はあるかと思います。
 
また、DI100ではPADで-40dbまでアッテネーションできますが、MDB-1Aは-20dbまでです。
この点もDI100が優勢かもしれませんが、-40dbまで下げないといけない破壊的な出力のモノは、
僕は未だかつて出会ったことがないです笑
 
<ノイズ比較>
さあ最後の比較は、ノイズです。
 
こちらはなんと、DI100の方が優秀でした!!
 
いずれもギターを接続した時には、100Hzくらいのノイズが常時ほんのわずかに乗っているのですが、
よく比べないとわからないレベルではあるものの、DI100の方がノイズは目立たなかったです。
 
単純にDI100の筐体の大きさが成す業なのか、はたまた回路に秘密があるのか??
 
ちなみにこのノイズ、シールドのコネクタ部分やDIのボディを触ると消える部類のノイズで、
電源でアースをしっかり取れていれば解決されるかもしれません。
 
あと余談ですが、MDB-1Aと比べて改めて思ったのですが、DI100はめっちゃ重たいです笑
どちらかというと、DI100の方が『戦車級』な気がするのは、わたくしだけではないはず…!

まとめ

さて今回の検証シリーズはいかがだったでしょうか?
 
2023年7月現在、まだサウンドハウスさんのレビューには掲載されていないし、
某有名レビューサイトでも、「クリアなサウンド」「ローノイズ」などといった、
あいまいな表現しかされていなかったので、正直やや不安ではありましたが、
個人的には音楽的な観点から、MDB-1Aに軍配を上げたいです。
 
今後はDI100ではなくこちらをメインに使っていこうと思って購入した結果は、
ある程度成功だったと思っております。
 
皆さまにとっても参考になりましたら幸いです。
 
 
 
この記事の他に、当ブログでは「マイナー機材評論」と題して、
あまり脚光を浴びないけど意外とイケてる機材や小物をご紹介しています。
興味のある方は下記リンクからご覧いただき、よければコメントもお待ちしております!
 
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最後までお読み頂きありがとうございました!
 
 
サウンドハウス

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